豪徳寺 写真家荒木経惟(アラーキー)と陽子とチロの遺家

小田急線豪徳寺駅東口から豪徳寺(大老・井伊直弼の菩提寺として有名)にむかって住宅街の路地を歩くと、古い5階建てマンションが現れる。1982年(昭和57年)以来、写真家荒木経惟(のぶよし)氏と妻陽子さんの住居であり、作品表現の舞台となった建物だ。生後4ヶ月のチロ(猫)が同居したのは、1988年(昭和63年)になってから。アラーキー夫妻の愛猫チロをまじえた生活は短い期間で終わりをつげる。1989年8月、陽子さんは入院し手術を受ける。手術の日、アラーキーはその病室の窓を開け「空」を写す。翌年1月27日午前、荒木陽子さんは入院中の女子医大の病室で逝去(42歳)。棺に完成したばかりの写真集「愛しのチロ」を副葬としておさめる。アラーキーの人生・作品と一体化していた妻でありモデルでもあった陽子さんの早すぎる死であった。陽子さんの魂が乗り移ったような存在の愛猫チロとウインザーハイム豪徳寺での生活は続く。2009年(平成21年)、検査で前立腺がんが発見されたアラーキーは治療に専念。翌年3月、愛しのチロはアラーキーを残し先立ってゆく。チロは22歳であった。
  • こへ 2020年4月13日17:00

    ドラマあるなー 泣ける
    今度豪徳寺を散歩してみようと思う

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